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てんてけてん日記

アラフォー独女の徒然日記です

独身女とイイ女

 

テレビで面白い芸人を見た。

 

ブルゾンちえみという、キャリア・ウーマンをネタにするお笑い芸人だ。

 

彼女はできるキャリア・ウーマン姿で、両脇にイケメン2人を携え、『イイ女』ネタを披露していた。

 

ビジュアルが何ともシュールで、目が離せなかった。

 

実に面白い。

 

声を上げて笑っているとき、ふと私は考えた。そもそも、

 

 

世間一般でいう『イイ女』って、こんな女なのだろうか?

 

 

と。

 

ブルゾンちえみは、キレイに切り揃ったボブヘア、真っ赤なルージュに濃いアイラインを施し、ぴったりしたシャツにミニのタイトスカート、黒のストッキングにヒール靴という出で立ちだった。

 

ふむ、何だかできる女風だ。

 

しかしながら、私が働いてきた企業では、少なくともこのような姿の女性に会った記憶がない。

 

いや、同じような服を着た女性はいたかもしれないが、職場で真っ赤なルージュをする女性はいなかった。

 

もし、実際に職場でそのような女性に会ったら、私はその女性を『イイ女』と思うのだろうか。

 

 

・・・・。

 

 

なぜだろう。

 

『イイ女』と思える自信がない。

 

 それじゃ、『イイ女』じゃなく、『イタイ女』だ。

 

 

・・・・。

 

 

ではどういう女性なら、『イイ女』と思えるのだろうか。

 

かつて、私が『イイ女』と思った女性が1人いた。

 

Fayray(フェイレイ)という女性アーティストだ。

 

今はもう日本では活動していないので、お目にかかる機会もほとんどない。

 

若い人は知らない人のほうが多いだろう。

 

歌手であり、その昔ミス立教にも輝き、英語やピアノも堪能と、才色兼備の女性だ。

 

話し方はサバサバとした感じで、それでいて色気があり、歌声には艶があった。

 

美しくもあり、どこか哀愁もあり、そしてかっこいい。

 

そこに私は『イイ女』を見た気がした。

 

 

しかしながら、彼女が『イイ女』と思わせる所以はそれだけではない。

 

 

その昔、もう10年以上も前のことだが、恵比寿にあるリキッドルームで彼女のライブがあった。

 

私は1人でふらりとライブハウスへ向かった。

 

いつも参戦するような爆音ライブとは異なり、狭いライブハウスでFayrayはピアノを弾き、しっとりと歌を聴かせてくれた。

 

ワンドリンク制で、一杯飲むとほんわかイイ気分になった。

 

私は、階段の手すりにもたれつつ、段差になったその場所は前に遮るものもなく、ベストポジションでまったりとFayrayの歌を聴いていた。

 

 

そして、それは突然起こったのだった。

 

 

Fayrayの『イイ女』たらしめる場面をこの目で私は見たのだった。

 

 

ライブも中盤にかかり、私は彼女の名曲『tears』をうっとりと聞いていた。

 

Fayrayの歌は基本的に、

 

 

『強い女を演じているんだけれども、ほんとは私、弱いの。分かってよ。』

 

  

とか、

 

 

『何も言わない。でもあなたのこと、信じて待ってるから。』

 

  

みたいな、儚げで、男から見たらやたら重そうで、何だか幸薄そうな女性のことを歌った歌詞ばかりだ。

 

これって、明らかに不倫じゃね?みたいな曲もあったりする。

 

さながら昭和の歌謡曲ばりだ。

 

中でも、『tears』はそのFayrayの代表曲でもある。

 

歌詞はやっぱり幸せとは程遠い内容だ。

 

でも、本当にいい曲なのだ。

 

そんな曲の最中だった。

 

私は違和感を感じた。

 

 

『ズッ、ズッ・・・。』

 

  

変な音が聞こえる。

 

今はFayrayの声とピアノの音しか聴こえないはず。

 

何だこの音は?と思った。

 

そして、ふいに隣へ目をやった。

 

そこにはサラリーマンであろう男が1人。

 

 

彼は泣いていた。

 

  

人目もはばからず、こぼれる涙を拭こうともせず、

 

 

彼は泣いていた。

 

  

私は直ぐにFayrayのほうへ目線を戻し、

 

 

 

『うおおおおぉぉぉぉおおおおおおっっ!!!!』

 

   

と心の中で叫んでいた。

 

彼はこのアンハッピーソングに何か思い出があるのかもしれない。

 

自分が幸せにできなかった元カノか?

 

 

お前をそこまで泣かせるのは一体誰なんだ?! 

  

 

と、私は頭をフル回転させて考えた。

 

しかしながら今の彼の目に写っているのは、Fayrayだ。

 

私はハッとした。

 

間違いなく今この瞬間、Fayrayという存在が彼の心を揺さぶり、そして彼は泣いている!!!!!

 

 

Fayray!!!!』

 

  

私はここに『イイ女』の神髄を見た気がした。

 

Fayrayはやさしいピアノ音と共に、元カノ?をFayray自身に投影しているであろう彼を、赤ん坊のように泣いている彼を、母のような大きな愛で受け入れているのだから!!!

 

 

完敗だ。

 

  

私は敗北感を味わった。

 

私がイイ女になるのは到底無理だ。

 

そんな諦めの気持ちが沸々と湧いた瞬間だった。

 

 

・・・・。

 

 

なーんてね。

 

 

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